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2004年6月8日
vol.23「寝苦しい夜のために」

そろそろ全国的に梅雨入りですね。
これからは蒸し暑い夜が続きます。
なかには、いろいろな思いが頭の中を駆け巡って寝つけない人もいるのではないでしょうか。

楽しい空想で興奮し、目が冴えてしまうあなたは幸せもの。
翌朝、ちょっと寝不足なだけで、どうということはありません。

問題なのは、さまざまな悩みや不安で眠れないあなたです。
これは、悪くすると慢性不眠症になって、
最悪、病院へ行かなければならないような事態を招きます。
そんなことになっては大変。開運どころではありませんね。

今回は、「もしかしたら、私も不眠症予備軍では……」と思えてくるあなたのためのコラムです。

さて、あなたを眠らせない「不安」とは一体なんでしょう。

「不安」とは読んで字の如く、「安らげない」「安心できない」という心模様のこと。
では、どうして「安心できない」のでしょうか。
それは、自分が思い描いている通りにものごとが進んでいくかどうか気がかりだからです。
まあ、これは誰でも同じですよね。

でも、はたして、自分の思い通りにものごとが進むなんてことがこの世にあるでしょうか。

もちろん、地球上には50億人以上もの人間が住んでいるのですから、
たまには、なんでも思い通りにものごとが進んでいく人がいないとは言いません。
きっといますよ。そういう魔法のランプを握って生まれてきたような人だって。

歴史に名を残した、覇王、英雄などと呼ばれる人が「魔法のランプ」組ですかね。
古代ローマのシーザー、平家の頭領・平清盛、フランス皇帝ナポレオン、
ドイツ総統ヒットラーあたりはどうでしょう。
しかし、なんだか偉大な気はしますが、別に、取り立てて幸福そうでもありませんね。
むしろ、人生そのものは、苦労が多かったんじゃないでしょうか。
それに、英雄の皆さん、最期が揃って悲惨ですから。

ということは、歴史に名を残すような英雄でも不安と悩みが尽きなかったのだろうと思えるのです。
傍目には栄耀栄華を尽くしているように見えても、現実の暮らしは、相当気苦労が多かったりして。
それに比べれば、一般市民の我々の悩みや不安など知れたものです。

不安要因の一番根幹は、「衣食住」。
この先、着て、食べて、住んでゆけるだろうか。真っ先にこれですね。

しかし、普通に健康で普通に働ければ普通の暮らしをすることくらいはできるのではないでしょうか。
普通の基準がそれぞれ違いますから一概には言えませんが、
良識的な普通の暮らしはそう難しくないはずです。
就職難といっても、職安にいけば、とりあえず餓死しない程度の仕事は斡旋してくれますよ。
本当に身寄りがなくて、からだが悪くて働けなければ生活保護も受けられます。
国民の権利ですから、堂々と受ければいいのです。

年商100億円の社長でも、倒産してしまって働けない状態なら
生活保護を受けたっていいじゃないですか。
恥だなんて思わなくてもいいのです。
自分の運命を受け入れる覚悟ができていれば、どんな生活だろうと本人にとっては清いものです。

ただ、遊ぶために借金して、それが返せなくて逃げ回っているというのはあまり同情できませんね。
世の中には、お気の毒と思える人と、自業自得と思える人がいるのはしかたがないことです。
とりあえず、健康で働く気があれば「衣食住」はなんとかなるのではないでしょうか。

また、老後の心配などというものは、しても仕方がない心配です。
これは、もうなるようにしかならない事柄なので、心配するだけ無駄ですね。
人間、生まれた以上、歳はとりますし、最後は誰でも死ぬんです。
人生をめいっぱい頑張って、やるだけやってみてそれでもダメなら行政の御厄介になりましょう。
それまで税金を納めて、一生懸命働いたのですもの
最後の面倒くらい国にみてもらってもバチは当たりません。

では、衣食住は足りたとして、それでも尚、ふつふつと湧きあがってくる不安はなんでしょう。
それは、「人間、食べるためにのみ生きるにあらず」という、衣食住を越えての欲望が原因です。
これが厄介なのです。

眠れないほど悩みや不安を呼び起こすような欲望というものは、
大抵の場合、自分の通常搭載能力を超えています。
「英会話は一切できないけど、国際線のフライトアテンダントになりたい」とかね。
こういう法外な欲望をさしたる努力なしで手に入れようとするところに、抱えきれない悩みが生じます。

長く生きているとわかりますけど、
本人がその気で努力してもうまくいかないものもありますから、時には諦めも肝心。
人間は根性を入れて粘り抜くことも必要ですが、
時には、カラリと諦めてしまういい加減さも大切なのです。

果敢に欲求の対象を追い求めるときと、おもいっきり放り出してしまうとき。
このバランスが上手にとれるようになれば、悩みと不安で眠れないなどということはなくなります。

ちなみに、最近の私は「一日決済主義」。
今日という日を充実させて、楽しく暮らす努力はしていますが、「明日は明日の風が吹く」です。
さらに言うなら、ものごとは「成るように成る。成らないようには成らない」。
今日やれることをきちんとやって、後は天に身を任せてしまうのです。

もし、天が、あなたに命を授けたのであれば、自分の与えた魂の宿り主をそう邪険にはしますまい。
そう信じていれば気が軽くなります。

まあ、あなたがどう思おうと、ものごとは落ち着くところに落ち着きます。
かくして、歴史は、人間の意志とは関係ないところで書き綴られてきたのです。

肩の力を抜いて、深呼吸。
ほうら、だんだん眠くなってきたでしょう。ほうら、眠くなる……眠くなる……ね・む・く・な……