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2022年12月4日
vol.98「弔いかたにもいろいろと」月影沙織

 この時期はどうしても
師ルネ・ヴァン・ダール・ワタナベのことを思い出します。
 あと、師の誕生日のころですね。
 墓参りにまだ行けていないので、近日向かうつもりです。

 ところで、私は両親も地方出身ですし、
私自身も転勤であちこちに住みました。
 そこでそれぞれ葬儀に出席したり、墓参りしたりしたことがあります。

 そこで感じたのは地域によって、作法などが違うということ。
 お線香のあげかたひとつ違うので、
その地域のやりかたを確認しないと
失礼になってしまう恐れもあるので緊張します。

 墓参りには命日に行くのがポピュラーなのかと思っていましたが、
地域によってはお彼岸の時に行く、または命日やお彼岸の両方の時に行く、
お彼岸ではなくお盆の時期に行くなど、いろいろなパターンがあるようです。
 お墓の前でピクニックをすることもあったのですが、
それを話すと驚かれたりもしましたが、
その地域はそういう風習だったんですよね。

 関東に引っ越して驚いたのは、
お盆に茄子やきゅうりで馬を作ったものが置いてあったこと。
 大変申し訳ないのですが、
お子さんが作った工作みたいなものかと思っていたのですが、
精霊馬(しょうりょううま)といい、
ご先祖様をお迎えして自宅まで連れていく役割があるのですね。

 ちょっと遠方の親戚の家に行った時は、
お盆の時期に拝むお地蔵様が立派な厨子に入って鎮座していました。
その地域の人たちが数日ずつ預かりお参りし、
そのお地蔵様がいらっしゃることで先祖供養となるようでした。
「廻り地蔵」というようです。

 きっと地域によって、まだまだ知らない風習があると思いますが、
このように故人に思いを馳せ、何かしら儀式的なことをするというのは、
故人もですが、自分自身もなぐさめる効果があるのかなと感じました。
 やはりいなくなってしまった寂しさは、
いつまでも変わらないものですから……。

 その地域によって、やりかたはいろいろですが、
故人を弔うという気持ちを形に表していることに変わりはありません。
「両親の育った地域ではこのようにしてお線香をあげるのですよ」と言いながら、
師の墓前に参ったら、師はめずらしがってくれるでしょうか。
 いや、博識な方でしたから、
「そういう地域もあると知ってるよ」と言われそうな気もします。  

 そんなことを思う秋の夜長です。