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2015年11月25日
vol.15「トンボーと冥王星のロマン」ステラ・ボンボヤージュ

みなさんは「冥王星」に対してどのようなイメージをお持ちだろうか。

西洋占星術を学んでいる方は、「無意識」「死と再生」「徹底的」「変容」……など、
どちらかというとダーク寄りのキーワードが思い浮かぶかもしれない。
私自身のホロスコープでは、自分の太陽にピッタリ冥王星が張り付いているので、
遠くにある星ではあるが、どことなく馴染深いものを感じる。
そう、まるで自分の影のように決して離れることのない「絶対」なもの。

そんな冥王星の探査機「ニュー・ホライズンズ」が2006年に打ち上げられ、
今年の7月には、冥王星に最接近するというニュースが話題になった。
1930年に冥王星がアメリカのクライド・トンボーによって発見されてから、
まだ100年も経っていないにかかわらず、9年もの時を経て探査機が近づき、
冥王星の謎を解き明かそうとしているのだ。

得体のしれないイメージが強い冥王星だが、
そこには大きなハート型に見える模様が映し出されていて、
親近感や意外性を感じた人も多いのではないかと思う。
ちなみに、打ち上げられた年の数か月後に、
惑星から準惑星へと格下げされた。
何とも皮肉なタイミングではないだろうか。
もし、私が冥王星を守護星とする蠍座生まれなら、
かなりガッカリしたにちがいない。
でも、冥王星は「報復」や「復活」を象徴する星でもある。
まるで「それ見てろ!」と言わんばかりに、
驚くような事実を私たちに今も突きつけ続けている。
奇しくも蠍座の新月であった11月12日には、
冥王星の2カ所に凍った物質を噴出する
いわゆる「氷の火山」らしきものがあることが発表された。

さらに「ニュー・ホライズンズ」に、
なんと発見者トンボーの遺灰が搭載されていると知った時には、かなり深い感動を覚えた。
1997年に残念ながら本人は他界しているが、
それでも地球上の生命体の代表として、自身が発見した星に限りなく近づいたのだ。
非常にロマンティックな話だと思う。
たとえ遺灰という形でも、トンボーは嬉しくて嬉しくてたまらないはずだ。
死んでもなお宇宙の旅ができるのだから。
NASAも粋なことをするものだ。

冥王星の探査は2016年の1月に終了し、
約1年をかけてデータが送信されてくる予定だそうだ。
どのような発見に出会えるのか、今からとても楽しみである。
その後、探査機はやがて太陽系を脱出し、
さらに宇宙のはるか彼方へと私たちが知る術もない旅を続けるのだ。
トンボーの遺灰という名の魂とともに…!