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2004年1月10日
vol.21「宿命に生きるか、運命に生きるか」

新しい年が幕を明けました。

それぞれに楽しいお正月を過ごされたと思います。
ぜひ、今年は開運していただきたいと心から願っています。
する気になればできるのが開運ですからね。

さて、今回は「宿命」と「運命」のお話です。

講演会などで、よくこういう質問を受けることがあります。
「宿命と運命とはどう違うのですか?」
なるほど、似たような感じがしますから、一般的には解りにくいかもしれませんね。
ほんの少し解説しておきます。

私見ですが、「宿命」というのは、書いて字の如く、「命の宿り」のことだと捉えられます。
生命の宿りとは、生まれた瞬間にすでにインプットされている諸要素で、
人間の力ではどうすることもできない定めだと思っていただければ結構です。

例えば、あなたをこの世に誕生させてくれた御両親、正確な誕生日、生まれた家の貧富、
出生登録における姓名などは、あなたの意思とは関係なく定められたものでしょう。
姓名は、特殊な事情があれば後になって法律的に変更可能ですが、
とりあえず、生まれたときの自分の意思ではどうすることもできない事柄でしょう。
すなわち、本人の命自体が、好むと好まざるとに関わらず、そこを宿りとしている厳正ない事実、
それが「宿命」です。

一方、「運命」と言うものは、これまた、書いて字の如く、「運ばれていく命」のことです。
では、何が生命を運んでいくのかというと、これは「時間」です。
したがって、運命とは、時間に運ばれていく、あるいは、時間の中に漂っている命のこと。
もっと簡単に言ってしまえば、運命とはあなたが生きている時間そのもののことです。

宿命は、自分ではどうすることもできませんが、運命のほうは時間との折り合いのつけ方です。
運命もしたたかですから、おいそれとは自分の都合のよいようにはなりませんが、
やり方次第ではなんとか組み伏せられなくもありません。
端的に言い切ってしまえば、運命は自分の意思の力で方向を変えることが可能なのです。

ちなみに、その伝でいけば、「運勢」とはまさに「時の勢い」。
運勢が良いというのは「天の時、地の利、人の和」が三位一体として整い、
その人にプラスに働いている状態を指します。
逆に、運勢が悪いというのは、この三位一体のバランスが崩れてしまい、
すべての状況が味方しない時のことです。

私が「運命は変えられる」と信じているのは、「宿命」「運命」「運勢」など、
人生にまつわるこれらの「時間や空間」について、状況分析を重ねてきた結果からなのです。

このようなジャンルの研究を世間一般には「運命学」といいますが、
運命学という言葉の響きは、「占い専門の学問」と受け取られやすいので、
私は敢えて「時空学」と呼んでいます。
私の研究分野には、当然、古来の伝統的な「占術」もあります。

しかし、私が長年研究し、目指していることは、「人生いかに生きるべきか」という、
いわば「ライフエデュケーション」の分野であり、
「当たる、当たらない」を主眼に置いた「占い」とは別のものです。
人生の時間と空間の調和を考える学問、それがすなわち「時空学」です。

さて、人間の一番自然で楽な生き方とは、どんなものでしょうか。

多分、それは、宿命に逆わず、ただ、与えられた寿命をあるがままに生きることです。
「生まれたからには、いつか必ず死ぬ」という宿命を何の抵抗もなく受け入れて、
時の流れに自らを任せ、淡々と生命を全うする。
周囲の人から見れば、相当無気力な生き方に見えますが、
本人は肩に力が入っていませんので、楽に生きられるのです。
その日、その時、本人に起きることは、宿命のなせるわざとすべてを甘受し、諦観できるので、
無用な抵抗がありません。
花は咲くように咲き、散るように散るだけのことです。

でも、まず、こういう草木的な生き方ができる人は少ないでしょうね。
私は、これまでの人生のある期間、この草木的な生き方を実験的に試したことがありますが、
全宿命を受け入れるだけの諦観に達することができなかったので、中途挫折しました。

宿命とは別に、自分自身に訪れる時間と空間、
すなわち、運命と呼ぶそれに挑戦する気概がある者にとっては、
宿命に生き、宿命に死ぬのはなかなか難しい業です。
「我、かく有り、かく生きむ」みたいな意志や思考が働くと、
もう、その瞬間に宿命とは決別しなければなりません。
あとは、ひたすら運命に挑んでいくしかないわけです。

では、運命に挑み、運勢を味方につけて、自分自身の人生をどう切り拓いたらいいのか。
その極意は……おっと、ここで今回は時間切れとなってしまいました。
この続きはまた。