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2001年12月19日
vol.12「クリスマスとお正月」

クリスマスとお正月という、まったく異なる「宗教的行事」を
何の矛盾もなく受け入れてしまうのが私たち日本人です。

そういう、物事を然して深刻に考えずに受け入れてしまえるところが
日本人の美点なのかもしれません。

本来、日本には「八百万の神」が住み着いていて、アミニズム的な「万霊信仰」があったのですが、
そこに、中国から「仏教」が伝来しました。
為政者の庇護を受けて仏教は大いに発展していったのです。

戦国時代になると南蛮船に乗って鉄砲や宣教師と共にキリスト教が入ってきました。
まさか紅毛人の神を信じる人などいないだろうと思うと、これがさにあらず。
大名から庶民までかなりの信者を集めたのです。
キリシタン弾圧がなければどこまで発展したか知れないくらいです。

江戸から明治にかけては新興宗教がおびたたしく生まれては消え、
生まれては消えして世間をにぎわせました。

そして、現代はまた、新・新興宗教とやらが花盛りです。

人間は他の生物と違って「時間」を認識してしまったために、
生きている間のことばかりでなく、死んでから先のことも心配になり、
やたらに「死後の安堵」を願って深く考えもせず宗教に入りあげる傾向があります。
死ねばただ灰になるだけで、その後のことなど考えるだけ無駄なのだと信じることができれば、
別に宗教に頼ることもないのです。
いまさら、言われなくても、実際のところはそうなのだろうと薄々感付いてはいるものの、
にわかに「無信仰」になってしまう勇気のないのもまた人間です。

死後の世界ばかりではなく、他の人より自分だけが得をしたいという「現世利益」を追求する人も
宗教にはまるのが好きです。
「現世利益」というのは言葉を代えれば「欲望充足」のことですから、
苦労せず願望成就したいものぐさには、この手の宗教はうってつけです。

ことほどさように、この国における宗教は、
およそ、その時々のご都合主義で出来たり消えたりするものですから、真剣味は薄いのです。

少なくとも「宗教戦争」を他人の国にしかけようとするほどの民族的エネルギーはありませんから、
「平和な民族」とお褒めをいただいてもよいのではないかと思います。

私は、子供のころからクリスマスもお正月も大好きです。

「法事」はお寺でやりますし、「初詣」は神社で手を合わせます。
どのみち、日本民族というのはNHKの番組によれば、あちこちの寄せ集まりなのですから、
しかつめらしく「一神教」で行く必要もないでしょう。
人間が幸せになるための原点が「相互間の受容と共感」であるならば、
私たちは、まず、宗教問題からこれを解決することのできる数少ない優れた民族であるといえます。

宗教ごときで、人間同士が殺し合ってどうします。
問題が起こって得をするのは、俗に宗教家と呼ばれる、あんまり汗を流して働かない人達ばかりですよ。

それを考えれば、無節操といわれようと楽しくクリスマスを祝い、
お正月は華やかに初詣に行こうではありませんか。
たまには先祖の遺徳を忍んでお墓参りにも行きなさい。

21世紀最初の年の最後の月。そして、新しい年を迎える準備の月。
どうぞ、和気藹々で過ごしてください。