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2001年5月30日
vol.05「他者比較の不幸・その三」

「人の心は合わせ鏡」という言葉があります。

こちらが、本当に好感を持っていれば、
よほど故意に悪意を持って陰謀を企んでいる人以外は、
相手もまた、こちらに対して好意を持つものです。
人間は共感する生物だからです。

したがって、こちらが悪意を持っていれば、相手も当然、悪意を抱きます。
できれば他者に対して差別感や悪意は持たないに越したことはありません。

では、なぜ、人間は、他人に対して「好き」「嫌い」の感情が働くのでしょうか。 それは、人間は、相手を観察する時に、自分自身を投影して判断の手段とするからです。

相手に好感を持つのは、自分と同じ共感を持てる部分を対象の中に見るからです。
相手に反感を感じるのは、自分の中にある嫌悪する部分を対象の中に発見するからです。
さらにまた、相手に敵意を感じるのは、自分自身がよく知っている弱点を、
相手に見抜かれると直感するからです。

現象学という哲学の中で、フッサールは
「すべての認識は、この私が見ているがままの視野の中から生じてくる」
と言ったそうですが、正に、すべての起こりはここから始まるように思われるのです。

簡単に言えば、イヤなヤツは自分のイヤなところを持ち合わせている人物であり、
ライバルと感じるのは、自分の弱点が露呈してしまう人物だからです。

すなわち、「好き」とか「嫌い」とかの基準は、
相手の中に自分をどう投影しているかに過ぎません。

つきつめてしまえば、そう言う単純な動機で、「他者比較」の一喜一憂が存在するのです。

人間はこうした形で他者を識別するのだということが理解できれば、
多少とも日常的な人間関係の軋轢から解放されるのではないでしょうか。

どこまでいっても自分は自分、他人は他人です。
初めから比較の対象になるようなつながりは、厳密に言えばほとんどないのです。
比較分析して、その差異を論じる方法をロゴスと言い、
個々の共通点を発展させようとする考え方をソフィアといいます。

従来の自然科学は、存在の法則性を追究する学問でしたから、
どうしてもロゴス的な立場をとらざるを得ませんでした。
「法則の証明」に熱中するあまり、調和することの大切さを失ってしまったとも言えるでしょう。

「幸運体質」を形成するためには、「人の心は合わせ鏡」であることを再認識してください。

では、また次回。